たしかなひかり

かすかな光

気の抜けた炭酸 サイダー

しゅわっ……みたいな音を立てて消えちゃいたい。あたしなんか、無数の炭酸の泡のうちのひとつ。だけど、たぶん透明の三ツ矢サイダーだ。

町田康のくっすん大黒は、すごくすごく面白かった。可愛くて、すべてのことに意味が欲しいわたしには、いくらニートになったってあんな風には暮らせないんだろうな。そうだ。おまわりさんが、君なにしてんの、て言ってくるんだ。髭の生えた浮浪者みたいなおじさんよりあたしは守られるべき存在なのだ。くそう。結局はみ出せないんだった。併録されてた河原のアバラもすごくよかった。あたしはやっぱり人と話したくてたまらないんだった。人と話すのは苦手で、電話はもっと苦手。ひとりでも現実に、この街に、ひとが、生きていればよかったのに。

いろんな言葉があたしの頭を抜けていく。今日はなんか、ラジオを聴ける気分じゃない。ここオズが終わるらしい。なんだかんだまあまあ聞いてたんだよ、テュポンのルール決める回なんて大好きで三回くらい聞いた。あと、所沢のミスドで、ミスドから友だちのアパートまで、歩きながら聞いてた。芸人さんの名前クイズ。旅先で聞いてた音楽やラジオってすこし大切すぎてしまって、こんなほとほとひでえ日常では聴きたくなくなる。andymori1984と、サニーデイ冷し中華、じゃすみん。所沢、いい街だった。17年生きたここよりも、遠く離れた街の方がずっと濃く、匂いまで思い出せる。自分が臭いと気付けないみたいに、ここにも匂いがあるのかな……。オズワルドのラジオ、あたし真空ジェシカが大好きだから、悪いラジオって認識でしかないけど、雑魚乙だけど、さみしいよー

こんな独り言をね、それからほんとのことをね、誰かに話したくて仕方ない 孤独で身体中掻きむしりたくなるし、逆立ちで寿限無唱えたくなるし、ケンタッキーの店内でおおブレネリを歌いたくなるし、死にたくなるんだよ

すべて すべてごちゃまぜにして、大きい声で髭のもっとすげーすげーをうたう うたいたいと思いながら黙って目を閉じる 夜中